会議メモ系のツールは、いまやほとんどがMCPサーバーを備えています。2026年8月11日 時点の確認では、Fireflies、Otter、Granola、Fathom、Circleback、Avoma、tl;dv、 MeetGeekのいずれもが公式に文書化しており、Speak-Yも同様です。「MCPに対応して いますか」という問いは、もう何の違いも生みません。
それでも違いは3つ残っており、この3つが連携を設定する価値があるかどうかを 決めます。サーバーがどこで動くか、どのプランで有効になるか、そして つないだあとにアシスタントがどこまで到達できるかです。名目上は存在して いても、あなたのプランでは文字起こしを1件も読めないサーバーは、連携とは 呼べません。
この記事では、この3点を9つの会議メモ系ツールについて比較し、各記述の根拠となる ベンダーのページを示します。プロトコル自体になじみがなければ、まず MCPサーバーとは何かを読んでから戻って きてください。
| ツール | サーバーが動く場所 | サインイン | 必要なプラン |
|---|---|---|---|
| Speak-Y | 自分の端末、ローカルの録音を対象 | 不要——ローカル動作 | Freeを含む全プラン |
| Fireflies | Firefliesのクラウド(api.fireflies.ai/mcp) |
OAuthまたはAPIキー | MCPについては記載なし。API利用は全プランに記載 |
| Otter | Otterのクラウド | OAuth | 無料のBasicを含む4プランすべてにチェックあり |
| Granola | Granolaのクラウド(mcp.granola.ai/mcp) |
ブラウザでのOAuthのみ | Freeは制限あり。文字起こしは有料プラン |
| Fathom | Fathomのクラウド(api.fathom.ai/mcp) |
コネクタ経由のOAuth | 記載なし |
| Circleback | Circlebackのクラウド(circleback.ai/api/mcp) |
OAuth | 無料プランなし |
| Avoma | Avomaのクラウド(mcp.avoma.com/mcp) |
OAuth | Organization/Enterprise、またはAPI Accessアドオン |
| tl;dv | 自分の端末、tl;dvクラウドのデータを対象 | APIキー | BusinessまたはEnterprise |
| MeetGeek | 自分の端末、MeetGeekクラウドのデータを対象 | APIキー | 記載なし |
各行は2026年8月11日に、ベンダー自身のドキュメントまたは料金ページを読んで 確認したものです。プランの要件が明示されていない場合は、推測せずその旨を 記載しています。これらのサーバーのいくつかはこの1年以内に登場したもので、 料金ページがドキュメントに追いついていないためです。
この表のなかでローカルという語は2つの異なる働きをしており、ベンダーが それを区別して書くことはあまりありません。形は2つではなく3つあります。
リモートサーバー、クラウドデータ。 Fireflies、Otter、Granola、Fathom、 Circleback、Avomaはいずれも自社でサーバーをホストしています。OAuthで許可を 与えると、AIクライアントは必要になるたびにベンダーへHTTPSで問い合わせます。 文字起こしがもともとそのベンダーのクラウドにあるなら、これが自然な形です。 MCPサーバーは同じ建物へのもう1つの入口にすぎません。
ローカルプロセス、クラウドデータ。 tl;dvとMeetGeekは、利用者自身が動かす サーバーを提供しています。AIクライアントが起動するNodeまたはDockerのプロセス で、APIキーを保持します。しかしそれでデータがローカルになるわけではありません。 プロセスは手元のノートパソコンで動きますが、文字起こしを1件取るたびにネット ワーク越しにベンダーのAPIを呼びます。MCPサーバーはローカルだと言われたら、 まず除外すべきなのがこの形です。
ローカルプロセス、ローカルデータ。 そもそも録音が端末上にあるため、 サーバーがネットワークを介さずに読み取る形です。この表のなかでは Speak-Yがこれにあたります。サーバーはデスクトップアプリの一部であり、 すでにMacに保存されている録音を読みます。
3つの形すべてに当てはまり、しかも最も見落とされやすい注意点が1つあります。 ローカルサーバーはデータをベンダーのインフラの外に置きますが、会話の外に 置いてくれるわけではありません。 アシスタントが読んだ内容は、あなたが対話 しているモデルへ送られます。ローカルとはほかの場所に保存されないという 意味であって、モデルから見えないという意味ではありません。
マーケティングの表現と料金表がいちばん食い違うのが、この点です。
OtterはMCPを法人向けの機能として発表しましたが、現在の料金ページでは 「MCP server integration for AI assistants」の行が4プランすべて——無料のBasic を含みます——にチェックされており、Basicの機能一覧にも「Otter MCP server」が 挙がっています。読むべきは発表記事ではなく比較表です。
Granolaは、「無料プランで使える」という表現をもう一度見直すべき理由を 示しています。無料アカウントでもMCPは使えますが、対象は直近30日の個人メモに 限られ、文字起こしとフォルダのツールは有料限定と文書化されています。サーバー はあるのに、本当に使いたかったツールは有料の向こう側にある——無料プランでMCP は使えるが有用なツールは制限されている、というこのパターンこそ、名指しで確認 すべきものです。
tl;dvは自社のサーバーリポジトリで要件を明記しています。BusinessまたはEnterprise のアカウントです。AvomaにはOrganizationかEnterpriseプラン、またはAPI Access アドオンが必要で、加えてクライアント側にも有料のClaudeプランが要ります。 ディレクトリからではなくカスタムコネクタとして導入するためです。Circleback にはそもそも無料プランがないため、この問いは生じません。
FirefliesとFathomは、プランに触れずにサーバーを文書化しています。 FirefliesはFreeを含む全プランでAPI利用を挙げており、MCPも同様であることを 示唆しますが、確約はしていません。Speak-Yは無料プランを含むすべての プランにサーバーを含めており、APIキーを作る必要もありません。
設定ページのツール一覧は、どの機能紹介よりも多くを語ります。アシスタントに できることの、文字どおりの一覧だからです。
Circlebackはこのなかで最も幅広い一覧を公開しています。会議、文字起こし、 アクションアイテム、カレンダーの予定、メール、人物、企業にまたがる11のツール です。これは実際に有用ですが、一度の認可が会議だけでなく受信トレイまで カバーすることになるため、少し考える価値もあります。
Fathomは7つのツールを公開し、この連携が到達できるのは元から閲覧権限の ある会議だけで、新しい種類のデータは加わらないと明記しています。Granolaは チャット形式の問い合わせツールを含む6つを文書化しています。OtterはOAuth によって利用者ごとにアクセス範囲を絞り、アシスタントが取得した内容を記録 します。Speak-Yは録音の横断検索に加えて、文字起こし、要約、アクション アイテムを公開し、Mac上にあるコピーを読み取ります。
公開されている一覧を通して見ると、ツールは圧倒的に検索と読み取りに寄って います。これは各ベンダーの判断であって、プロトコルの性質ではありません。MCPが 標準化するのは、ツールをどう記述し、どう呼び出すかであって、何に触れてよいか ではありません。書き込みや削除の操作が——あってほしい場合もそうでない場合も ——重要なら、その答えが正直に書かれている場所はツール一覧だけです。
別途触れておく価値があります。通話がすでにZoomに残っているなら、会議メモ系ツールの MCPサーバーはそもそも不要かもしれません。Zoomは2026年5月18日に、会議の要約、 文字起こし、録画、メモ、アクションアイテムを対象とするMCP機能の拡張を発表し、 ClaudeやChatGPTから利用できるとしています。同じ理屈は、録画をすでに保管して いるあらゆるプラットフォームに当てはまります。
ベンダーのページはこれらの問いに直接答える作りにはなっていませんが、答え自体 は載っています。
https://のURLならベンダーのクラウドです。
npx、uvx、dockerのコマンドなら手元の端末で動くプロセスですが、次の
点を確認するまでデータの所在は何も決まりません。この比較が率直に見て自社以外を指す状況もいくつかあります。
2026年8月に意味のある問いは、その会議ツールがMCPに対応しているかどうかでは ありません。そのサーバーが、あなたにとって必要なデータを、実際に契約している プランで、納得できる場所から読めるかどうかです。この3つの答えはマーケティング の印象よりはるかに大きくばらついており、いずれもベンダー自身のページに—— どの行を読むかさえ分かっていれば——書かれています。
ローカル型を試したい場合、Speak-YのMCPサーバーは 設定 → 連携からワンクリックで導入でき、APIキーも有料プランも 不要で、すでに端末上にある会議メモを読み取ります。ワンクリック 導入に対応していないクライアント向けの手動設定はMCPドキュメント にまとめており、チームが会議を共通のナレッジベースに集めるように なれば、同じ問いが、自分が一度も参加していない通話からも答えを返し始めます。
2026年8月11日時点で、Fireflies、Otter、Granola、Fathom、Circleback、Avoma、tl;dv、MeetGeek、Speak-Yがいずれも公式に文書化しており、Zoomも自社の会議データ向けにMCPサーバーを提供しています。違いは、サーバーがどこで動くか、どのプランで有効になるか、どのツールを公開しているかにあります。
いいえ。MCPサーバーが決めるのは、データがどこに保存され、接続を誰がホストするかであって、モデルが何を見るかではありません。アシスタントがサーバー経由で読んだ内容は、会話の一部としてモデル提供元に送られます。自分で貼り付けた場合とまったく同じです。
ベンダーによって異なります。Otterの料金ページは無料プランを含む4つすべてでMCPにチェックが入っており、Speak-Yは全プランに含めています。tl;dvはBusinessまたはEnterprise、AvomaはOrganizationかEnterpriseプラン、あるいはAPI Accessアドオンが必要で、Circlebackにはそもそも無料プランがありません。
リモートサーバーはベンダーのインフラ上で動き、アシスタントはOAuthを使ってHTTPS経由で接続します。ローカルサーバーはお使いの端末上のプロセスとして動きます。落とし穴は、ローカルのプロセスでもAPI経由でクラウドのデータを読めることです。tl;dvとMeetGeekがその方式なので、ローカルサーバーであること自体はデータがローカルにあることを意味しません。
そうしたツールを公開している場合に限ります。公開されている会議メモ系のツール一覧は、ほとんどが検索と読み取りです。Circlebackは11のツールを文書化していますが、すべて取得系です。MCP自体は権限モデルを定めないため、ベンダーの設定ページに載っているツール一覧こそ読む価値があります。